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「「超」入門 失敗の本質」を読んで気になったポイント

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「「超」入門 失敗の本質」は名著「失敗の本質」を読みやすくまとめてくれている本です。
「失敗の本質」は結構読むのが難解らしいので、とりあえずこちらを読んで見ました。
自分の仕事を振り返りつつ、気になったポイントをメモしておきます。

勝利につながる「指標」をいかに選ぶかが戦略である。性能面や価格で一時的に勝利しても、より有利な指標が現れれば最終的な勝利にはつながらない。

P.52

↑ビジネスにおいても、競合に勝つために必要となるのは性能や価格だけでなく、変化していく顧客のニーズに追随していかないと競合に負けるという話。
性能は追求しがちですね。
それが顧客のニーズがどうかはさておいて、そこを追求してしまう。

(略)一時的に勝利したとしても、なぜ成功しているのかの理由を正しく理解できなければ、その後勝利が劣化していくことを食い止める対策が生まれてこない(略)

P.59

↑昔から販売を続けている製品を引き継ぐと、成功している要因がよくわからないまま現状を維持してしまう。
そして何が顧客に受け入れられているのかわからぬまま性能を追求したり見当違いな方向に進んで徐々に売上が落ちていく…。

イノベーションを想像する三ステップ
ビジネス的な視点から、堀参謀がどんなことを成し遂げたのか追いかけてみましょう。
ステップ① 戦場の勝敗を支配している「既存の指標」を発見する
ステップ② 敵が使いこなしている指標を「無効化」する
ステップ③ 支配的だった指標を凌駕する「新たな指標」で戦う

P.106

↑何が顧客ニーズなのか?競合が掴んでいるニーズだとすれば、どう無効化するか?どんな新たな価値を提供するか?

高い技術力を誇る日本の家電メーカーが苦戦を続けるのは、消費者の指標を変化させるイノベーションではなく、単に技術上の高性能を追求しており、効果を失っている指標を追いかけているからだと推測されます。

P.113

↑顧客ニーズを無視して自己満足の高性能化を図りがち…。
性能が高ければ売れるというおごりがあるというか、それを言えばとりあえず上の人達がGOサインが出るから安直に高性能化を進めている感じがする。

イノベーションは既存の戦略を破壊するために生み出されており、効果を失った指標を追い続けることは、他社のイノベーションの餌食となることを意味する。

P.130

↑自分たちが追っている指標が間違っていないか?を気にしないと競合に負ける。

(略)敗戦や無謀な作戦を立案・実行しても責任を取らされなくて済む、と将校が認識しても不思議ではありません。

P.169

↑うちの会社がまさにこれ。
施策が失敗しても上が責任を取ってクビ・降格になることはなく、のうのうと同じポジションに居続けるか、肩書据え置きで雑用的な楽なポジションに回される。
そりゃ真面目にビジネスを回そうとは思わないわなぁと。
そしてそれを下から見ている部下からしたら、「責任を取らなくてもいいから好き勝手なこと言ってるわ」となり、モチベーションはダダ下がり。
一部のやる気のある部下のおかげでビジネスが維持されている構造。
クビとまでは言わないけど、降格くらいはあってしかるべきだと思うんだけど。
法に触れるような不祥事でも起こさない限り降格されないという。
なんで一方通行なのだろう。

(略)慎重論を唱えた下士官や参謀は「やる気・意欲がない」という理由で左遷、更迭されています。
「無謀・無能でも勇壮で大言壮語し、やる気を見せるなら罪に問わない」というメッセージを関係者全員に発信するなら、組織内に無責任な失敗者が続出するのは当然です。

P.170

↑ホントこれです。
まともな事を言ってもネガティブな内容だと「やる気・意欲がない」と烙印を押されます。
そして無視すべきでないリスクを抱えたまま進めて失敗。
でも誰も責任は取りません、と。
「ポジティブっぽいことをてきとーなことを言って、仕事をやっている風にしていればいいんだ」と思っている管理職多そうなんだよなぁ、弊社。
下にいる時からそう見えてるんだから、そう振る舞うわな…。

・都合の悪い情報を封殺して無視する
・希望的観測に心理的に依存していく
敗戦が色濃くなるにしたがって、さらにこの傾向は増していきます。

P.218

↑情報を都合の良い方に捉えて進めるから、現状を理解せずに判断して失敗する。
「とりあえずなにかアクションをし続ける」のが仕事になってますから、止まるよりも進めなんですよね。
それが失敗につながる道だとしても。

劇場版パトレイバー2でも、「…戦線から遠のくと、楽観主義が現実に取って代わる。そして最高意思決定の段階では、現実なるものはしばしば存在しない。戦争に負けているときは特にそうだ…」なんてセリフもありましたね。

(略)集団において何らかの合意が得られると、結論を再度懸念する相手に対して「今さら蒸し返すな」という心理が働くのは、ごく自然なことかもしれません。
しかし、議論も結論も、最終的に追求すべきはベストな解決策、ベストな結果を生み出すことです。

P.221

↑検討が進むにあたって懸案が出てきたりしますが、すでにある程度進んでいる状態だと希望的観測で黙殺されがち。
サンクコストバイアスもあって、今さらやめるとか、考え直すなんてことはしない。
うちの会社の場合、別に失敗してもクビ・降格もなく、とりあえず期限内にそれっぽい仕事をしていればいいので、こういう空気が強いです。

まとめ:うちの会社は旧日本軍と同じ過ちを繰り返している

なんともまぁ耳の痛い話の多いこと多いこと。
うなづきながら読んじゃいました。
忙しく普段の業務をしながら新ビジネスの立ち上げとかのミッションを振られると、特にこういう事態に陥りやすい気がします。
気をつけられるところは気をつけよう…。

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