まず、タイトルと内容が結構乖離しています。
押井守監督がどんな風に仕事に取り組んでいるかはわかりますが、自分たちの仕事にどう活かすかとか、そういう要素は薄いです。
正しいタイトルは、「スカイ・クロラ創作ノート」だと思います。
なのでそのつもりで読んだほうがよろしいかと…。
今の息苦しい日本を生きざるをえない若者や、大人になりきれない大人たちに向けて作ろうと思ったのであり、この芯の部分だけは絶対にぶれてはいけないと考えたのだ。
P.43
↑スカイ・クロラ制作の背景の話です。
こういう思いで作られたとのことですが、当時高校生の自分も、今の自分も、イマイチよくわかりません。
まあ自分の感性は残念な部類なので、そういうことでしょう。
ちなみに今回、パイロットたちのヘルメットにつけたコード名は全て犬種から取っている。優一の頭にある「ケアン」というコードはテリアの一種である。
P.87
↑スカイ・クロラの話です。
ヘルメットにコードが書かれていたことすら気がついていませんでした。
次に見る機会があれば注目してみたいと思います。
父親のいる世界は、天上ということになる。神話の世界では、息子は父を殺して母を奪い取る存在であり、父は自分を殺しに来る息子を殺す存在である。だから、キルドレたちは大空に飛び立って、父親的存在である敵のエースパイロットに戦いを挑む。父と子が殺し合う運命にあるという設定は、まさに神話的空間にほかならない。
P.92
↑神話的な要素を持ってきていたんですね。全然気が付かず。
そもそもスカイ・クロラの最後に優一がティーチャーに挑んでいく意味もわからなかったので、まあ自分は何も理解できていないんですけどね…。
つまり、同じ量の仕事をしていても、意識して取り組む人間とそうでない人間との間には、少しずつ差が生まれ、それが蓄積していくものなのである。ムダな仕事というものは存在しないが、仕事をムダにしている人はいる。自分が何をやっているのか分からないようでは、音響の作業ほどつまらない仕事はない。この地道な作業が結果として映画にどのような効果をもたらすのかを想像しながら行うから、音響の仕事は楽しいのである。
P.138
↑身につまされる話です。忙しいと仕事をさばくのに意識が行ってしまって、なかなかその仕事の意味にまでは考えが及びません。
この本の最後はエピローグとなっていますが、そこは押井守監督の半生が書かれているので、興味があるかたはぜひぜひ。
ただやっぱり、この本のタイトルと内容はマッチしてないと思うんだよなぁ…。