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笑い男事件を時系列に解説

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攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEXの1stシリーズで描かれた「笑い男事件」。
必要なシーンだけ見ればそんなに複雑な事件ではないのですが、サイドストーリーがあったり、アクションシーンがあったりして若干分かりづらくなっている印象です。
今回、笑い男事件を時系列に整理して、各所で解説していく形でまとめてみます。

第一次笑い男事件の時系列

「第一次」という表現は劇中にはありませんが、わかりやすいように第一次と第二次に分けて記載します。

  1. 不治の病、電脳硬化症の存在が発覚する
  2. 村井ワクチンが作られる
  3. 今来栖が村井ワクチンを不認可にする
  4. 村井ワクチンが特定指定者有償治験薬として認可される
  5. 「ひまわりの会」が村井ワクチン接種者リストの公開を関係省庁に求めれるも拒否される
  6. セラノ・ゲノミクスのマイクロマシンが認可される
  7. セラノ・ゲノミクスに脅迫メールが送られる
  8. アオイがセラノ・ゲノミクス宛の脅迫メールを見つける
  9. アオイが瀬良野を誘拐
  10. アオイが世間への事実の公開を求めるも瀬良野に拒否される
  11. 笑い男事件として世間に発覚
  12. 連続企業脅迫テロ
  13. 被害企業への公的資金注入がなされる
  14. 薬島幹事長の後援会が脅迫テロを止められたら献金してほしいと被害企業に迫る
  15. 企業脅迫終結宣言

企業脅迫テロの犯人はアオイではない

アオイが行ったのは瀬良野の誘拐だけで、その後の企業脅迫テロの犯人はアオイではありません。
瀬良野の誘拐時の身代金の要求もアオイではないようです。

第二次笑い男事件の時系列

沈黙を守っていた笑い男が6年後に再度世間の前に現れ、今度は9課の捜査対象となります。

  1. 警察内で笑い男偽装工作を画策
  2. ナナオ・A証言者たちへの記憶の改竄
  3. インターセプター不正使用疑惑発覚
  4. 警視総監暗殺予告
  5. 警視総監暗殺未遂事件発生
  6. ナナオ・A暗殺
  7. 9課が警視総監とセラノ・ゲノミクスとの癒着を指摘
  8. バーチャルシティαで少佐がアオイと出会う
  9. アオイが厚生労働省へハッキング
  10. トグサが授産施設を内偵
  11. アオイが授産施設から逃亡
  12. アオイが厚生労働省から村井ワクチン接種者リストを窃盗
  13. 厚生労働省から村井ワクチン接種者リストがなくなっていることにトグサが気がつく
  14. アオイが村井ワクチン接種者リストを今来栖名義で「ひまわりの会」へ送付する
  15. 麻取の強制介入班が村井ワクチン接種者リストを捜索するために「ひまわりの会」を強襲
  16. アオイが今来栖を逃がす
  17. 新見局長は今来栖が裏切ったと判断
  18. 今来栖が薬島幹事長に助けるを求めるも、薬島幹事長は新見局長に今来栖殺害を指示し、今来栖の所在も伝える
  19. 今来栖を追ってきた麻取と9課が戦闘
  20. 9課が麻取のボスである新見局長を逮捕
  21. 麻取の残党が9課メンバを襲撃
  22. 素子がアオイの記憶を共有
  23. 9課は薬島幹事長が黒幕と判断し、軟禁されている瀬良野への事情聴取を計画
  24. 9課が瀬良野を誘拐して過去の経緯を聞き出し、薬島幹事長後援会から献金依頼があったことも知る
  25. 9課の作戦が漏れて世間に9課の存在が知れてしまう
  26. 荒巻が首相に薬島幹事長のことを報告するも、首相が動かないことを察知
  27. 荒巻は9課を表向き壊滅させてメンバを生き残らせる策を実行
  28. 「海坊主」による9課襲撃
  29. 9課メンバによる薬島幹事長に関する情報の拡散
  30. 9課メンバの拘束
  31. 世間的には9課は壊滅
  32. 衆院選実施
  33. 検察が薬島幹事長に任意同行を依頼
  34. 9課再結成
  35. 荒巻がアオイを9課に誘うも断られる
  36. 瀬良野暗殺

警視総監暗殺予告は笑い男事件解決とインターセプター不正使用疑惑を解決するための画策

警察内部では笑い男事件を解決させるためにナナオ・Aを犯人としてでっち上げる計画が進んでいました。
そんな折、インターセプター不正使用疑惑が浮上したので、この計画をぶつけてインターセプター不正使用疑惑をうやむやにする作戦となりました。

犯行予告はアオイが行ってしまいました。
しかしナナオ・Aは自身が犯行予告を行ったように振る舞います。

警視総監暗殺未遂事件を整理

SPが発症したウィルスはナナオ・Aのもの

SPがウィルスを発症しますが、あれば分割型の遅効性ウィルスでした。
ナナオ・Aが最後の分割型メールを送信してから発症しているので、ナナオ・Aが作成したウィルスです。
解説サイトを見ていると、”ウィルスを作成したのはアオイ”だと書いているサイトもありますが、ナナオ・Aの「あの犯行予告、俺がやったんじゃないんだけどな。ま、あと少しで終わるんだし」というセリフからも、犯行予告以外=ウィルス作成はナナオ・Aの犯行と考えられます。

アオイも現場を覗いていた

ベビー・ルースがSPの電脳を盗み見していたことは、9話「ネットの闇に棲む男」の発言から見て取れます。
ベビー・ルースは他にも盗み見をしていた人間がいたと語ります。
さらにはアオイが素子と初めて対面した時に「会うのは3度目」といったいたことからも、ここにアオイがいたことになります。(2度目はバーチャルシティα

めちゃくちゃ余談ですが、バーチャルシティαにいた「委員長」はネカマという設定になっています。

ウィルスが原因ではないSTAND ALONE COMPLEXが発生

警視総監暗殺未遂事件では大量の笑い男の模倣者が現れますが、彼らはウィルスに侵されたわけではないことがわかっています。
後に素子に名付けられる「STAND ALONE COMPLEX」という現象が原因です。
犯人たちは個を喪失して笑い男の模倣者になってしまいました。

世間的にはSTAND ALONE COMPLEXは発生していない

世間的には大量の笑い男発生の原因はナナオ・Aがばら撒いたウィルスが原因ということになっています。

ナナオ・A暗殺

ナナオ・Aは暗殺され、世間的には笑い男グループの一人として認知されます。

瀬良野への事情聴取で薬島幹事長の暗躍が確定

9課は薬島幹事長が黒幕と断定して捜査を進めていましたが、証拠がありませんでした。
しかし瀬良野を誘拐して事情聴取することで、薬島幹事長と笑い男事件(企業テロ)の関わりが明確になりました。

ただこの時点ですでに薬島幹事長は海自に手を回しており、9課を陥れて逮捕を免れようとすることになります。

アオイは2度も利用されてしまっている

第一次笑い男事件では瀬良野誘拐が企業脅迫テロに利用されてしまい、第二次笑い男事件では警視総監暗殺予告がナナオ・A逮捕の茶番劇に利用されてしまいます。
それぞれの事件で、黒幕側にはある程度の準備があったということです。
このような事件の発生を予見することは難しいので、笑い男事件以外にも様々な金儲けの作戦が同時並行的に計画されていて、機会があれば実行されているのだと思います。

時系列を理解すると理解が早い

ということで細々とした補足をはさみましたが、時系列は上記のとおりです。
村井ワクチン認可のあたりは時間の前後があるかもしれませんが、概ね流れは正しいと思います。
このように整理してみると、この笑い男事件は案外難しくない話です。
薬島幹事長→新見局長→麻取の流れがつかめればだいぶわかりやすいかと。
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEXはサイドストーリーが多いので26話すべてを見ていくと何がどうなっていたのかわからなくなりますから、メインストーリーだけ追ってみるといいかと思います。

なお総集編である「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man」では尺を短くするために多少話が改変されていますが、当然ながら大筋の流れは変わらないので、こちらを見てみるのが早いかも知れません。
最後に瀬良野の暗殺を示唆するシーンがないのが大きな違いでしょうか。
アクションシーンも極力削られているので、事件についてじっくり考察ができますよ。

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