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「フリー」を読んで気になったポイント

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2009年の本ですのでだいぶ古いですが、読んでみました。
「無料」という値付けからどうやって収益化していくか?みたいな話です。

いわゆるフリーミアムが主軸になりそうな感じでした。
最近のソシャゲも一部の課金勢のお金で成り立っていますが、あのビジネスモデルです。

で、本自体はかなり分量が多く読むのが大変でした。
なんかもっと要点絞ってほしい…。
と思ったら、巻末にまとめられていたので、時間がない人は巻末のまとめ部分だけ読んで見て、気になれば全体を読んでみたらいいと思いますよ。

(略)値段がつくことで私たちは選択を迫られるからだ。

P.81

↑いくら安くても値段がついていると、「支払う価値があるのか?」という決断をしないといけないので、手に取る人が減ってしまうという話です。
無料ならとりあえず手にとっても損はしないですからね、基本。
勧誘とかそういうのにつながるやつは別ですが。タダより怖いものはない。

でもBtoBであれば、無料ならとりあえずお試しできるのでいいですね。
数円でも支払いが発生すると面倒ですから、会社は。

顧客は割に合わない認知作業をさせられ、売る側も割に合わない小額の売上げしかない。

P.82

↑低価値なものを提供しよとすると、無料で無い限り顧客側は本当に価値があるのかの検討をしなければいけなくなります。
でも低価値なので、その検討自体がムダに近いという話。
そして売る側からしても、売っても大した売上にならないから嬉しくないという話。
どちらも得をしないので最悪ですね。

しかし、大企業は価格よりもリスクを最小限にすることを重視しているために、マイクロソフト製だろうが、レッドハットなどの有料のリナックス版だろうが、喜んで有料ソフトを選ぶ。それは契約を結ぶためで、その契約にはトラブルが生じたときに、すぐに誰かと連絡をとれるアフターサービス条項が入っている。

P.149

↑一従業員からしたらそうしますね。
お金を出すのは会社だし、何かあった時に対処しなければいけないのは自分だし。
頑張って上を説得して、サポート契約を結ぶようにします。
自分の経験から言っても、小さい企業だとサポートは必要とされない場合もありますが、大企業でサポートなしというのはあまり聞きません。
サポート期間が要求に満たない場合は見送られるレベルです。
顧客にとっての価値を理解し、それを提供すれば対価は得られます。

(略)もしGメールが本当に一ギガバイトをタダで提供するならば、ヤフーがそれに対抗するには、莫大な費用がかかることも予想された。
これは、フリーに関して昔からよくある問題だった。既存企業よりも新参企業のほうがフリーを利用しやすいのだ。既存企業は収入源をなくす恐れがあったし、すでに多くのユーザーを抱えているので、サービス提供コストが桁外れに大きくなりかねなかった。

P.152

↑昔はWebメールのシェアの大半はヤフーが占めていたところにGメールが参入してきた話です。
Gメールはユーザが少ないがゆえに、大容量を提供してもあまりコストはかかりません。
ヤフーが対抗しようとすると、すでにたくさんのユーザがいるので莫大なコストがかかるという話です。
ストレージ単価はどんどん安くなっているので、将来的にユーザが増えてもその頃には容量を確保するためにかかるコストは下がっているとGoogleは考えたのではないでしょうか?

このやり方はうまいなと思ったので、既存市場があるところに攻め入る際は活用したいと思いました。

料金を払う必要はないが、払いたくなるかもしれない、ということだ。

P.198

しかし無料オンラインゲームにおいては、料金が生じるのはプレーヤーが必要性を理解してアイテムを購入するときだけだ。失望させるリスクは低く、顧客に報いる可能性は高い。簡単に言うと、次のようになる――顧客に対して料金を請求できるのは、手に入れようとしているものの価値を顧客が理解していて、すすんでお金を払いたがるからなのだ。

P.199

↑課金しなくても遊べるけど課金することでより楽しめたり、時間を短縮できたり。
そういうことに対して支払ってくれる顧客もいるという話です。
ニーズを必要最低限満たせるだけの価値を提供しつつ、さらなる価値を提供してそこからお金を取る…。
ネトゲのようにユーザ数が多いビジネスでは有効そうです。
BtoBだとユーザ数がぐっと減るので、ちょっと厳しい気がします。

人々は固定料金を支払えばあとは無料になるほうを好む。見えざる料金メーターにビクビクしたくないのだ。

P.221

↑自転車レンタルの課金体系の話です。
料金を従量課金にすると、結果的には安くても、ユーザからすると”見えざる料金メーター”が気になって遠ざかってしまうという…。
先が見通せないのは気持ちが悪いですからね。
BtoBで言えば予算化がしにくいんじゃなかろうか?
気がついたら予算オーバーしていたなんてことになったら大変ですから…。

もっとも多い理由は「コミュニティ」だった。コミュニティの一員であることを感じ、その繁栄に貢献したいと思うのだ。二番目に多い理由は「個人の成長」だった。マズローの欲求段階では最上階にある自己実現に当たる。三番目は「助けあい」で、そう答えた人の多くは、社会学者が「熟練者」と呼ぶ、自分の知識を喜んで分け与える人だろう(おもしろいことにオラムの調査では、評判の順位は低かった)。

P.250

↑ユーザが無料で正規のものよりもわかりやすいマニュアルを作ってくれるのはなぜか?という調査の話でした。
ボランティア活動もどうようなんですかね?
個人的には上記の理由はあまり理解できないです。他人と感覚がズレているのか…?
所属するという「社会的欲求」の手前の「安全の欲求」を満たせていると感じていないという疑惑が…。

でもまぁこの調査ではこういう結果だったんですね…。
世間はそういうものなのかしら。

ユーチューブにあるこれらの雑多な動画はすべて、肥沃な地面を探して飛ぶタンポポの種子そのものだ。

P.258

↑雑にまとめると、Youtubeにある動画は有象無象で数撃ちゃ当たる状態だけど、テレビ番組と違って配信できる枠に際限がないのでそういうこともできますよというお話でした。
これは実感としてあって、自分でもYoutube動画を投稿しているんですが、いつもと同じ調子の雑な動画なのになぜか伸びたりしています。
まさに数撃ちゃ当たる。
動画を無制限に掲載できるからこそできる芸当ですね。

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