※ 本記事はアニメーションに出てくる銃器の描写について考察したものであり、
人々に損害、損傷、危害を引き起こすことを意図したコンテンツではありません。
凄い細かい話ですが、INNOCENCEの終盤、ハダリの製造プラント船で出てくる警備員の装備が変なんです。
彼らはP90っぽいサブマシンガンを使用していますが、あれ、使用弾薬は5.7x28mm弾ではなく9x19mm弾なんです。
そんでもって、ハダリには9x19mm弾が通用せずに虐殺されてしまうわけです。
なぜこんなことになってしまったのか?
考察してみたいと思います。
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そもそもなぜ武装した警備員がいるのか?
海の中にセンサーを仕込んでいたので、海中から船内に潜入されるのは想定していないと思うんです。
海中で迎撃することを想定していそう。
となると警備員はハダリの暴走への保険だったのだろうか?
だとしたらハダリに効かない武器を用意しているのはなぜ?
警備員は即出動できる状態を維持している(=お金をかけている)のに、武器が貧弱という矛盾。
ハダリを鎮圧できるPDWもしくはアサルトライフルを用意すべきだと思うんです。
愛玩用のハダリはなぜあんなに頑丈だったのか?
いやそれよりなにより、愛玩用アンドロイドの癖に9x19mm弾でも機能停止できないほどの頑丈さを持っているハダリはなんなのだろう?
メーカ的には百害あって一利なしのはずです。
強度を実現させるために余計な製造コストがかかっているはずだし、暴走した時に厄介になるだけだし。
そもそも愛玩用なので拳銃弾に耐えうる頑丈さは必要とされていないし。
なので、メーカ自身はハダリはもっとヤワな作りだと思っていて、9x19mm弾でも十分破壊できるから、警備員の装備は9x19mm弾仕様になっている、のではないかと考えました。
少なくとも警備員の初動を見る限り、9x19mm弾仕様のサブマシンガンで鎮圧できると確信しているように見えました。
効かないってわかっていたら、淡々と死地に赴いたりしませんよね?
警備員は9x19mm弾がハダリに対して有効であると説明を受けていたはずです。
設定ミスは考えづらい
単純に考えると、制作時の設定ミスということが思いつきます。
ただ、INNOCENCEの監督は武器描写が細かい押井監督なので、設定ミスというのは考えづらいです。
「キムが秘密裏にハダリのスペックを改ざんして生産させていた」説
ここまで考えていくと、一つの仮説に行き着きました。
キムは自身が殺された時にハダリが暴走するように仕込んでいましたが、自身が殺されなくともいざという時にはハダリを私兵として利用するつもりだったのではないでしょうか?
ハダリは世の大物たちに先行提供されるような代物であり、キムは任意のタイミングでそれらをターゲットとしたテロを行える立場にあったわけで、それをネタに使ってお金を得ることもできそうです。
そのためにキムが秘密裏にハダリのスペックを改ざんして生産させていたのではないかな、と。
素子がハダリを「このガイノイドの電脳は容量が不足ね。戦闘用の義体制御システムだけで一杯。表情と声はこの程度で勘弁して。」と評していますが、逆に言えば戦闘用の義体制御システムを入れるだけの容量は確保されているわけですよ。
愛玩用のアンドロイドに戦闘用の義体制御システムが収められるだけの容量が必要なのだろうか?
これもキムがスペックをいじったのではと思ってしまいます。
こう考えると辻褄が合うと思うんですが、いかがですかね?