劇場版パトレイバー2が好きなので、「パトレイバー2演出ノート」という本を読んでみました。
最初見つけた時はどんな内容なのかわからず、絵コンテ的なものかな?と思っていました。
同じ押井監督作品であるイノセンスの絵コンテ本は監督のコメントやウンチクが面白かったので、「パトレイバー2演出ノート」にもそういった面白さを期待していました。
実際にはアニメ映画の演出を語る本であり、技術的な本でした。
もちろん内容に関することにも触れられていますが、メインはレイアウトがどうだとかという話です。
そういうのが好きな人にはアタリな本だと思いますが、技術面までは興味がないという人には読むのはつらいかと思います。
「パトレイバー2演出ノート」の主な内容
主な内容は下記のような感じです。
- カットごとのレイアウトや演出に関するコメント
- スタッフへのインタビュー
- 作品中の要素(コクピットとか、窓とか、軍事映像とか)に対する簡単なコメント
カットごとのリイアウトや演出に関するコメントがメインになります。(8割くらい)
コメントは押井監督によるものなので、監督の意図がわかるのは興味深いです。
技術的な話で語られているので、そういうのが好きな人にとってはたまらないと思います。
ただ、技術にあまり興味のない人から見ると何を言っているのかわからないことも多々あり、読むのがしんどいです。
自分の場合、技術にはあまり興味がないので最初の方しか読めませんでした。
ただ、押井監督が実写のレンズの画角で作るようなレイアウトにこだわっていることだけは理解できました。(汗
カットは各テーマごとに選ばれているので、時系列ではありません。
その点でも読みづらさが増しています。
この本はあくまでも演出ノートなので、この書き方が正しいとは思いますが…。
なお、各カットは基本的に線画です。
余談:パトレイバー2に出てくる鳥に意味はない
読んでいて興味深かったのは、鳥についての記述です。
「P2」に登場する鳥たちにはどのような象徴的な意味もありません。強いて言うならば、それはこの作品で描かれた「世界」と「物語」に混入されたノイズであり、記号の体系を掻き乱すための異質な記号そのものに他なりません。
P.45
と記載されていました。
パトレイバー2では鳥がとても印象的だったので、当然意味があるのだろうと思っていたんですが、押井監督的には意味はないそうです。
ちょっと驚きました。
ただ、スタッフさんたちそれぞれが同じように考えていたのかはわからないので、意味ありげになっているカットもあるのかもしれません。