※ 本記事はアニメーションに出てくる銃器の描写について考察したものであり、
人々に損害、損傷、危害を引き起こすことを意図したコンテンツではありません。
GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊の押井守監督は銃火器の描写がリアルなことで有名です。
当然、GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊でもマニアックな描写があります。
この記事では、ちょっとした銃火器系の小ネタを紹介してみます。
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作中で強装弾を使用していたのはコーギだけではない
コーギがサブマシンガンで強装弾を使用
作中、コーギがサブマシンガンで強装弾を使用しています。
使ったサブマシンガンをバトーが見て「こんな銃で強装弾なんか撃つから、フレームがたがた。バレルも駄目だな、こりゃ」とつぶやいていますね。
ここ、実は伏線です。
少佐は戦車相手に強装弾を使用していた
6課が戦車を投入していることに気がついた少佐は、柱の陰に隠れて何やら準備を始めます。
あれ、使用している銃のバレルを強装弾用のヘビーバレルに換装しています。
少佐が使っている銃はクルベナ・ツァスタバ・ノスレ CZN-M22というPWDです。
弾薬は5.7×28mmで、アサルトライフル弾と拳銃弾の中間に位置するような弾薬です。
市街地戦が多いと思われる9課では、アサルトライフルを使用すると弾が壁を貫通して余計な被害を引き起こす可能性があるため、PWDを使用しているものと思われます。
戦車を相手にするのにPWDは明らかにパワー不足なので、少しでも威力を稼ぐために強装弾を使用したものと思われます。
ただ、そもそもとして銃弾で戦車とやりあうのは難しいです。
アサルトライフルだっとしても、あまり結果は変わらなかったでしょう。
昔は対戦車ライフルという大口径ライフルものもありましたが、戦車の装甲が厚く、銃弾で貫通させるのが難しくなったため廃れています。
話を戻します。
CZN-M22で強装弾を使用したので、途中でバレルが歪んでバレルを交換しています。
戦車の左腕を潰す時はちゃんと弾がまとまって飛んでいますが、次の射撃では弾がバラバラに着弾しているのが見て取れます。
それで少佐はもうバレルがダメだと判断して、バレルを交換したわけです。
バレル交換の際はバレルがなかなか外れず、手間取っていましたね。
歪んでしまったのか、熱で膨張してしまったのか…?
いずれにせよ、強装弾を使用する負荷は高そうです。
「てめぇのマテバ(9ミリ)なんざあてにしてねぇよ」
少佐が使っている拳銃も9ミリ
トグサが9課から逃走する車両に射撃して、「頑丈な車だぜ。9ミリじゃ傷も付かねぇ」と言っています。
それに対してバトーは「てめぇのマテバなんざあてにしてねぇよ」と言いますから、9ミリだとパワー不足だと言っているように聞こえます。
でも、少佐が使っている(そしておそらく9課制式採用と思われる)ツァスタバ・ノスレ CZ-M100も9ミリです。
凶悪犯罪に対峙する9課が9ミリを使用しているということは、この世界では9ミリで必要十分な威力があるという判断なのでしょう。
なので9ミリを馬鹿にするのはどうなのかなー?と思います。
バトーが使っている拳銃は50口径(12.7ミリ)
ちなみにバトーが使用しているジェリコ 942FSの50口径(12.7mm)です。
バトーが過剰な威力の弾薬を使用しているだけのような?
なお、イノセンスではバトーは40口径と9ミリの拳銃を使用しており、50口径は使用していません。
やっぱり50口径は過剰なんじゃんと思っちゃいます。
ジャムは怖い
2丁下げてもジャムが怖い?」
少佐がトグサに「ツーマンセルで2丁下げてもジャムが怖い?」というシーンがあります。
これ、伏線です。
ジャムとは?
そもそもジャムとはなにか?
排莢不良のことです。
オートマチックの拳銃の場合、弾を発射するとスライドが後退して空薬莢を排出して、スライドが戻りつつ次弾が薬室に装填されます。
この動作の最中に空薬莢や弾がスライドに挟まってしまうことがあり、これをジャムといいます。
この状態では発砲できないので、例えば敵と交戦していて連射している最中にジャムを起こすと弾が出ずピンチに陥ります。
スライドを手動で操作すれば詰まった弾を排出できますが、大きな隙きができてしまいます。
一方、マテバのようなリボルバーという銃はそういった心配はありません。
シリンダーが回転するだけなので、弾づまりはおきないですし、万が一発火しなかった場合もそのまま連射すれば次の弾が発射されるため、信頼性が高いです。
ただ、リボルバーは装弾数が6発ほどと、20発近く装弾できるオートマチックと比べるとこころもとないです。
なので少佐としては「2人で行動しているし、2つの銃を所持(PDWと拳銃)しているのに、それでもジャムが怖いんですか?」と言っているわけですね。
めちゃくちゃ余談ですが、昔ダイレクトメール(紙媒体)を封筒に詰める機械を扱うバイトをしていた時、パートのおばちゃんが「あ、ジャムった!」とか言っていたのに笑いそうになりました。
ジャム=銃火器単語だと思いこんでいたので…。
詰まったらジャムなんだから、全然普通の単語なんですけどね。
自分の知識の偏りっぷりがおかしかったです。(笑
ゲテモノはジャムって止まった
とまぁジャムを軽視したようなことを少佐は言っていましたが、戦車戦で助けに来たバトーが使った通称ゲテモノ、最終的にはジャムを起こしています。
試作品というのもあって、信頼性がイマイチだったのかもしれません。
もしジャムがもっと早い段階でおきていたら、戦車を仕留められず少佐は死んでいたかもしれません。
ジャムは馬鹿にできませんね…。
よく見ると、ゲテモノで最後の弾を打ち終わった後に弾づまりを起こしているので、よく見てみてください。
6課の狙撃手は1人は電脳化済、もう1人は電脳化していない
ちょっと記憶が定かではないですが、確か6課の狙撃手の1人は電脳化していて、もう1人は電脳化していないか電脳をONにしていない状態で任務に望んでいます。
電子戦を仕掛けらた場合でも狙撃を継続できるよう、電脳化していない要員と組ませているわけです。
とはいえ、電脳化している方が様々なデバイスとリンクしており高度な狙撃が可能なので、そちらがメインの狙撃手となります。
なので2人の仲は悪いんじゃなかろうか、とメカフィリア(後述の書籍)に書いてありました。
なお、2人が並んで描かれているカットを見てみると、1人は狙撃銃には通常のスコープが載っていますが、もう1人の方には板状のセンサーデバイスと思しきものが載っています。
「メカフィリア」にいろいろ書いてあるので、銃火器ファンは見てみるのがオススメ
GHOST IN THE SHELLに関する兵器・銃火器の話は「メカフィリア」という書籍にもいくつかネタが書いてあったので、気になる方は読んでみるのがオススメです。
たしか、戦車と狙撃手の話は載っていたと思います。
読んだのが随分前なので記憶があやふやですが…。
中古でしか出回っておらず安くないので、近所の図書館なんかで探してみるのがいいかもしれません。