劇場版パトレイバー2を見ていてよくわからないことがありました。
自衛隊が首都東京に出動した理由です。
なぜ警察ではなく自衛隊が首都に出動したのか?
結論から言うと、想定されるテロ行為に警察では対応できそうにないからだと思います。
自分の理解が混乱した原因
「首都圏の治安を維持し予測される最悪の事態に備えるため」というセリフが出てきますが、「予測される最悪の事態」とはなんなのかがわからなくなりました。
混乱を招いた要因は下記です。
- 政府内ではベイブリッジ爆破事件の真相(テロ組織が米軍機を利用して爆撃した)を把握していたはず
- 物語中では「自衛隊がクーデターを起こすのでは?」という空気が出ていた
- 「陸上自衛隊内の信頼の置ける部隊に出動を要請した」というセリフが出てくる
政府は信頼の置ける部隊を展開したと言っているので、信頼の置けない部隊=柘植の息がかかった部隊が存在するように受け取れました。
なので、自衛隊のクーデターを疑っているのでは?みたいに見えちゃって混乱していました。
自衛隊が出動したのは警察では手に負えないことが起こりそうと判断されたから
劇場版パトレイバー2のノベライズ版こと「TOKYO WAR」では、この信頼の置ける部隊というセリフは出てこず、「一部部隊に出動を要請した」とだけ書いてあります。
なので、想定されるテロ行為に対して(事態を悪化させて信頼もできない)警察だけでは対応できないと判断して、自衛隊を出動させたのだとすっと読み取れました。
TOKYO WARでは政府が自衛隊のクーデターを疑っているような描写はなかったと思います。
政府目線で見るとベイブリッジは爆破されているし、バッチシステムに侵入されているしで敵勢力は相当に危険と判断できますし、警察はこの機に乗じて優位に立とうとして勝手なことするしで、こうなるともう自衛隊の出番にはなりますわな…。
劇場版の劇中で信頼の置ける部隊というセリフが出てきたのは、ベイブリッジ爆破や自衛隊機同士の戦闘行為の疑い(幻の爆撃)により国民が自衛隊を疑問視しているという世論を考慮して、政府が「首都に展開する自衛隊は安心できますよ」というアピールのために出てきた表現なのではと思います。
余談ですが、TOKYO WARではこの出動は「治安出動ではない」ということに言及されています。
劇場版では特にそこに言及はなかったですね。
なので勝手に治安出動なんだと思いこんでいました。
「最悪の事態」とは?
劇中で何度か「最悪の事態」という言葉が出てきますが、それが何を指しているのかは曖昧だったと思います。
最初自衛隊によるクーデターが最悪の事態なのか?と思っていましたが、前述のしたようにそれはなさそうです。
となると「戦争(内戦)状態になってしまうこと」が「最悪の事態」なのかなと思いましたが、どうでしょう?
ノベライズ版のTOKYO WARについて
なお、TOKYO WARでは自衛隊が展開してそのまま日数が経つだけでどんどん政府が追い込まれているという話が出てくるので面白いです。
ただ人を配置しているだけでも食料に膨大な費用が…、とか。
その他、劇中では語られていなかった部分が補足されているので作品の理解がはかどります。
幻の爆撃シーンも小説なのに緊迫感があって面白かったですよ。
劇場版パトレイバー2を見ていて、まだTOKYO WARを読んでいないのであれば読んでみることをオススメします。